欅句会 2018.122018/12/04

 12月の兼題は年賀状に添える一句と凩。今度の正月は平成最後の正月で、その年の内に年号が変わると分っていて迎えるというのは、史上初めての事ではないだろうか。その事を詠みたくて苦労し一句作りましたが、採ってはいただけませんでした。私が造ろうとした句を出されたのは先生で、流石と思える手法で纏められていました。他に頂いたのはMUJさんの年明くる。新年の新鮮な気持ちをサラリと詠まれた句で、本日の特選にも選ばれました。

 凩は三句ほど作ったうちで、欅句会なら許されると思った冒険句を投句。

       凩と ダンスしてるぜ 赤提灯

 してるぜの”ぜ”が良いと先生を始め5人の方に採って頂きました。凩の句は何句か選句候補に入れてましたが、気が付いたら全て外してしまっていました。

 当期雑詠で採って頂いたのは二句。一つは鴛鴦(オシドリ)の傍題に思羽(オモイバ)という季語を知り、浮かんだ句です。

       思羽を 覗き見したる 線路下

 十年以上前ですが日野町に鴛鴦を見に行った事がある。日野川の鉄橋の下に観察小屋あり、暗い建物の中から、銃眼のの様な穴から観察するのですが、まるで痴漢がアベックを覗き見しているみたいだと思ったのを思い出しました。先生を始め三人の方に採って頂きました。

 先日、城山に登った時、本丸の石段の両側にツワブキの花が咲いているをみて

       兵の 駆けし石段 石蕗の花

 兵(ツワモノ)のつ、石蕗(ツワ)のつの音と石段と石蕗の石のリフレインを狙ったのですが、採って頂けたのは先生だけでした。

 私が頂いた当期雑詠の句は5句です。
  先生の十二月は字数で十文字の中に先生の奥さんへの思いが詰まってて、ジンと来るものがありました。
  HDYさんの白鳥は我が家でも楽しみにしている飛来の音を詠まれ、そうだ、そうだと頂きました。本日の特選です。
  NGTさんの小春はコーヒー匂いを感じる句で、銘柄名が地名と相まってとても良く利いていると思えました。
  SNIさん落葉は二句とも頂きましたが、どちらも今年の落葉の多さを感じる句で、先生も採られてました。

追記:今朝の日本海俳壇に下記の句が入選しました。

       椋誠一朗選       人影に 安らぎ覚ゆ 枯野かな

 昨年の12月句会に出した句で、日本海俳壇に通算180句目の入選。これに朝日新聞のとっとり俳壇の入選句を加えると
199句。今年、達成したいと思ってた合算200句にリーチです。