欅句会 2018.102018/10/02

 今月の兼題は水澄むと秋茄子。秋となり、水が澄んで来たなと思うのは、家の前の承水路に魚影がハッキリと見える様になった時であるが、見慣れた景色は感動が浮かばず句も浮かばない。秋、山歩きしていて水が綺麗だと思うのは谷底を流れる清流の瀞の所だ。透明なエメラルド色した深淵を見下すと、はるばる歩いて来た甲斐があったと疲れが吹っ飛びます。

       水澄て 地獄の渓や エメラルド


 自分ではいまいちと思ってたのですが、何とこれが今日の特選句。山歩きの好きな先生も同じ思いをしたのかもしれない。他に採って頂いたのは一人ですが、この方は昨年、サファイアでも採って頂きました。私が頂いたのは二句で何れも高齢の方の句でした。一つはダム湖の湖底、もう一つはサンショウウオの澄む清流。何れも故郷を思い出しての句であろうか。

 秋茄子は松江に住んで居た時の景色を思い出して詠んだもので

       バス停の 脇に秋茄子 無人市

 水澄むより此方の方が自信あったのですが、別に秋茄子でなくてもいいじゃんと言われればそれまで、一点止りでした。私が頂いたのは二句共KKTさんの句で、一つは嫁姑の嫌みの会話を詠んだ句であろうか。冒険心にご褒美。もう一つは、我家にはないメニューの茄子料理。見てみたい、食べてみたい。

 当期雑詠で採って頂いたのは、一句のみで二人の方に採って頂いた

       野仏の 肩に添いたる 杜鵑草

 城山の石仏の脇に杜鵑草(ホトトギス)が咲いているのを見て詠んだのですが、隣に座っていたSENさんに綺麗過ぎて採れないと言われました。想像句と思われる句だったのでしょうか。

 兼題で二句づつ採ったので、投句雑詠で頂けるのは三句。その内の二句がKKTさんの句。一つは鳥威(トリオドシ)。鳥威がなった時の鳥の行動をコミカルに詠まれて面白く、他に4人の方が採られました。もう一句は今年米。炊き立ての新米に塩を軽く振って食べると、おかずは無くともお替りしたくなります。そんな気持ちを、これまたコミカルに詠まれてました。これで、KKTさんの出句5句の内4句を頂いた事になります。どうせなら5句全てを頂ければ完璧だったでしょうが。
 当期雑詠で頂いた最後の一句はMUJさんの秋出水。出水の句は私自身何句か作ったが何れも駄作に終わった。それを香りで表現されたのには参った。しかし、夏の季語の出水でもいいじゃんと言われればそれまでかもしれない。それが、先生の選に入らなかった理由かもしれない。