欅句会 2018.082018/08/07

 8月の兼題は夏料理と夕立。夏料理は先月、出句したので中々次が出て来ない。テレビでしか見た事の無い景色で一句。

       床下を 流るせせらぎ 夏料理

 想像句なので期待はしていませんでしたが、先生に採って頂きました。私が頂いたのはGuriさんの透き通る。昔、接待で行った法善寺横丁の料亭で初めて目にした夏料理を思い出しました。本日の特選でしかも高点でした。

 夕立は実景を見てから作ろうと思ったのに、この一ヶ月一度も降らず。これまた、想像句となってしまいました。松江にいた頃、宍道湖を南北に分けて降り去る夕立に出合った事があります。そこから想像を膨らまして

       大橋を 半分濡らし 白雨去る

 白雨を夕立とすれば下五が6音となり、5音にするには平仮名で「ゆだち」と書けばいいのだが、平仮名では雰囲気が出ない。ホトトギスの歳時記では白雨には(ゆうだち)とルビが打ってある。しかし、他の歳時記には(はくう)としてあり、先生はどうとるか、勝負と思いだしてみました。先生を含め三人の方に「はくう」と詠んで採って頂きました。
 私が頂いたのはYSTさんの土の匂ひ。先生の句と似てましたが先生の句より勢いがあり夕立らしいと思い、こちらを頂きました。そして、もう一句KKTさんのヒール。季語とヒールと地名が良く合っていると思い頂きました。

 梅雨明け十日と言いますが十日どころか丸一ヶ月炎天が続いてます。日が暮れても30℃を下回らず、南には赤く大きな星が上がって来ます。この炎暑はお前のせいかと言いたくなり

       炎帝や 南に赤く 燃ゆる星

 なんと、これが16ヶ月ぶりの特選句。星の好きな先生なので採ってくれるかも知れないと思って出したのですが、特選とは思いませんでした。他にアウトドア派の人から一票。アウトドア好みの句だったかも。

 点が入った最後の句は、先月の句会でSENさんがバスの車窓から見た合歓の花に感激した話を合歓の花を見に行った時、思い出し作った句です。

       峠越すバス擦れ擦れの 合歓の花


 SENさんには採って頂けませんでしたが、先生を含め三人の方に採って頂きました。今回は点数はそれほどでもなかったですが、先生には特選を始め、5句中4句採って頂けたので、好成績と言えるかな。

 私が当期雑詠の句は
  NOTさんの花火の中に木星が居るという句。先生を始め星好きの三人の方も頂かれました。
  YWHさんの夏休みの宿題を詠んだ滑稽なもの。
  SENさんの炎天は夏の甲子園を詠んだのであろうか、炎天の中の歓声が聞こえてきます。
  SNIさんのはたた神は兼題を間違えてたと言っておられましたが、女性らしい一句で兼題だったらもっと点が入ったのではと思います。

追記:今朝の日本海俳壇に下記の句が入選しました。

       椋誠一朗選       水出しの 玉露出さるる 夏座敷

 昔、初盆のお参りに、ある旧家を訪ねた所、冷房の無い仏間に通され、そこで出されとお茶を口に含んだ時、冷たい玉露だったのを思い出して作った句です。