欅句会 2017.072017/07/04

 欅句会の今月の兼題は万緑と蟻であるが、句会に投句する前に今朝の日本海俳壇に万緑の句が入選してしまいました。

       佐藤夫雨子選       万緑に 包まれ眠る 王の墓

比婆御陵

 比婆道後帝釈国定公園の山々は草山が特徴なのですが、その中で比婆の御陵だけが橅の純正林に覆われている。イザナミノミコトを葬った神聖な山として古代より手付かずの状態を保っている。初めは神の墓と詠んだのですが、王の墓とした方がゴロが良く、直して投句しました。代わりに句会に出した句はどなたにも採って頂けませんでした。
 私が頂いた万緑の句はHDYさんのスイッチバックの句。トロッコ列車に乗って三井野原のスイッチバックを経験されたでしょうか。万緑の青葉風を全身に浴びる感じが伝わって来ます。そしてこの句は今日のの特選句に選ばれました。

 蟻は蟻の道若しくは蟻の列で何か面白い発想はないかと思案しててたら、テレビのなんでも鑑定団で平山郁夫の版画でシルクロードのラクダの隊商の絵が出品されてたのを見て、空想が広がりました。

       崑崙を 越えてペルシャか 蟻の列

 意外性が受けて、先生と私を除く出席者の半分の方に採って頂きました。私が頂いたのはHDYさんの地蔵を詠んだ句。以前私が日本海俳壇で入選した

       香水に 鼻膨らます 仁王像

を思い出させる一句でした。実は兼題で蟻を頂いた時、その日のうちに出来た句が

       蟻地獄 はまりてもがく 俳句かな

 ただ、半月ほどして蟻と蟻地獄は別の季題と判り、前記の句を改めて作った次第です。毎週三句作成を自らに課してもがいている自分が蟻地獄に嵌った蟻に思えてきます。止めれば簡単に楽になるのに止めれない。そんな自虐の句ですが、先生には採って頂きました。

 当期雑詠で採って頂いた句は

       稜線に 渓より届く 青葉風

 
 半月前、ダイセンクワガタとツガザクラを求めて大山の三ノ沢を標高1,440m付近まで登ったのですが、その時、渓より吹き上げてくる風が気持ち良く稜線までは登りませんでしたが、そう詠んでみました。先生を含み二人の方に採って頂きました。

 当期雑詠で私が頂いたのは
  HDYさんの雲の峰。数年前の御嶽山の噴火の映像が雲の峰に重なります。
  DTTさんの鯊(ハゼ)は釣師ならではの指先の感覚を句にしたもの。同じ釣師の先生が採らなかった何故?
  SNRさんの扇は藤井聰太四段の対局の様子を捕らえたもの。時事俳句として本日のナンバーワン。
  SENさんの麦茶は麦茶の入れ物が出色。SENさんとは思えない一句ですが、SENさんならではの目線かも。
  NOTさんの水中花は松坂慶子の歌を思い出しますが、松坂慶子の当時のスタイルと今とを想像して句を読むと笑ってしまいました。