立春 ― 2017/02/04
欅句会 2017.02 ― 2017/02/08
2月の兼題は梅と細魚(さより)。梅と言えば菅原道真の歌が思い出される。私の生家は借地に建って居て、母が亡くなってからも18年何とか維持してきたが、建物と庭をそのまま使いたいという人が現れたので譲る事にした。庭の梅の木もそのまま置いて行くので
明け渡す 生家に残す 梅白し
何と出席した女性の約半数の6人の方に採って頂きました。男性は誰も採らなかったという事は生家に対する思いは女性の方が強いという事なのでしょうか。
私が頂いた梅の句はDTTさんの自身の孤独を梅に託した句でその気持ちが理解でき頂いたのですが、先生の評は孤独という言葉は俳句では使わない方が良いとの事でした。もう一句YDNさんの事を詠んだ様な句だなと思って頂いた句は本人の句でした。
細魚は寿司と吸物でしか見た事が無くそれを詠んでみました。
結ばれて 椀に沈みし 細魚かな
猪口の酒 乾して頬張る さより鮨
吸物の方は先生を含む5人の方に採って頂きましたが、寿司の方は酒を付けた事で私の句だとバレバレなのか採って頂いたのは2人だけ。
私が頂いた細魚の句はDTTさんの句で、流石築地で働いていた人の句と思わせる気風の良さが伝わります。もう一句はGuriさんの細魚釣、リズム感が素晴らしく先生もその事を評されて採られていました。
当期雑詠で採って頂いたのは
豆とチョコ 特売リレーの 二月かな
スーパーの特売コーナーを見て浮かんだ句ですが、先生曰く二月という季語は難しいのに良く纏めたと評されました。
私が頂いた当期雑詠の句はNOTさんのうかれ猫と春の潮。うかれ猫は歴戦の野良猫の迫力があり、春の潮は瀬戸内の穏やかな海の風景が思いだされ、NOTさんの表現の幅の広さを二つの句で表しています。
もう一句はUFOさんのゲレンデ。夕闇に見る冬の大山を詠んだもので私の他に三人の方が採られましたが、先生の評はホトトギスの季題にはゲレンデはないと素っ気無い物。そこまで頑なにならなくともと思うのですが。
2月ですが、句会の後有志でワインレストランで新年会。アルコールも入って俳句談議に花を咲かせました。
最後に、今週の日本海俳壇に二席で入選した句を紹介します。
野田哲夫選 料亭の 限定ランチ 女正月
選者の評を写しますと「高級料亭が数量限定だが割安のランチを出した。抜け目なくこれを占める慎ましい女性たち。帰省者や子供の冬休みなどで、忙しかった彼女たちのお正月がやっと始まる。華やかに賑わう様子へと作者の眼差しは優しい。」とあった。
欅句会からは他にNYNさんが入選してました。今日句会に出された句も含めNYNさんのお孫さんを見る目に愛情を感じます。
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