欅句会 2,016.03 ― 2016/03/01
3月の兼題は鳥帰ると暖か。鳥帰る、一般には北帰行と言われている季語ですが、鳥が飛び立つ姿を見てもそれが北帰行か否かは素人には分からない。それは鳥の実景を詠ませたら右に出る人が居ない人に任せ、取り合わせで勝負だ。
鳥帰る 単身赴任 もう五年
私の単身赴任は6年続いたが、5年過ぎると来年は帰りたいなと切に思いました。その気持ちが理解されて先生を始め5人の方に採って頂きました。私が頂いたのはDTTさんと鳥博士の句。何方も北帰行の実景を五七五に上手く纏めておられた。
暖かは私の句は不発でしたが、頂いたのはIOTさんの人柄を詠んだ句。句そのものにIOTさん人柄が滲み出る句でした。
当期雑詠で採って頂いたのは、句会の人の絵を展示していたカフェを先月の初め訪ねましたので
早春の カフェにかかりし 句友の絵
句会の皆さんが見に行ったはずなので、もう少し点が入ると目論んだが、1点のみ。甘かった (-_-;)
今日の句会に出かける前の昼食は、青果市場の構内にある蕎麦屋で、もり蕎麦の大とイカの天婦羅にしようと思っていたが、今朝思わぬ春の雪に見舞われ、急遽とろろ蕎麦に変更して、即興で出来た句。
春の雪 青果市場の とろろ蕎麦

今朝の春の雪と雪の様なとろろが利いたのか二人の方に採って頂きました。しかし、私の句より遥かに素晴らしい春の雪を詠んだひとがいた。先生の句と思ったらSENさんで今日の最高点であり、本日の特選句にも選ばれた。恐らく全国区の俳誌に掲載される事間違いなしであろう。
明後日が桃の節句なので、雛段を眺めながら呑む酒の句と思ったのですが、季重なりなる酒ばかりでままよと
雛祭 ピザとワインで 女子会よ
まさか、採ってもらうとは思っていなかったが、女性の方に採って頂きました。
私が頂いた当期雑詠の残り3句は
NGTさんの高層ビル間より見た春の雪。てっきりDTTさんの句と思ったのですが、先日上京した際見た景色とか。
IOTさんの冴え返る。昨今の世情を表し、IOTでないと読めない句。
UFOさんの下萌。廃止となった球場を詠んだものですが、私は今の国立競技場の事を思いました。
雪解 ― 2016/03/04
梅と大山 ― 2016/03/07
嗚呼五年 ― 2016/03/11
黙祷せしや三月十一日
2万人以上の死者行方不明者を出した東日本大震災から丸5年経った。その割には復興が進んでいない気がする。その最大の要因は原発事故であろうか。これから先、多額の費用と百年近くの年数をかけて廃炉の作業が残っている。更に、無害になるには何万年もかかるという大量の汚染物質の保管処理方法も決っていない。福島の海で人が安心して泳げる日が来るのだろうか。
亀鳴くや磐城の海に戻り着て
東日本大震災は原発がある限り、津波によって原発を破壊した地震として世界史に残って行く事だろう。建造物の設計には想定が欠かせないが、想定を超えた場合の対処も欠かせなくなってきている。
神話崩れし三月十一日
だからと言って、遊星衝突などで人類が絶滅しても残る様な建造物を作るのも本末転倒だ。
春一番 ― 2016/03/15
今朝の日本海俳壇に下記の句が一席で入選しました。
野田哲夫選 春一番 人事の噂 吹抜けし
選者の評を転記すると「季節の交代は、人間の世に刷新を促す。春一番が吹き荒れる頃から、役所や会社などでは、組織の変更や人事異動の噂が流れ始める。いささか生臭ささも伴ってささやかれる噂は、人によって心踊るもの、荒ぶるものがあるだろう。季節風にとっては我知らぬこと、俗世の有れる思いを綯って吹き抜ける。」とあった。
入選した句がいささか生臭いものであったので、爽やかな今日の大山でお口直しして下さい。
三月に入ってかなり雪解けが進んだのですが、週末に寒波があり、大山は少し化粧直しした様です。
大山が余り綺麗だったので、先日の梅林に撮り直しに向かいました。
一週間余りで梅の盛りは過ぎてしまっていましたが、背の高い紅梅は今が盛り。
最後に残雪の大山を背景に梅をズームアップしてみました。
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