欅句会 2013.02 ― 2013/02/05
昨日は立春、我家にも春の報せがやってきました。庭の隅に蕗の薹が膨らみ始めたのです。
2月の欅句会の兼題は猫の恋と余寒。はて、困った!家の町内は猫を飼っている家がないのか、十年以上猫の恋を聞いたことが無い。それで思い出したのが2年前、携帯で撮った写真。居酒屋の店の前に置いてあるトロ箱に猫が二匹、丸くなって寝ていた。昨夜の恋の疲れであろうか、まるで白いシーツの掛けられたベッドで眠る様に。
トロ箱に 丸く収まる 猫の恋
一般撰で一人の方に採って頂いた。私が頂いたのは、UFOさんの忍ぶ恋。本当、猫が恋するのは勝手だが、静かに恋して欲しい。こっちは寝たいのだと言いたくなる。
それと、HSYさんの猫の声を演歌の様だとした表現。面白い!
余寒は私の句は誰からも採って頂けなかった。私が頂いたのは、DTTさんの出刃の句。あだしが原の鬼婆が月光の中で出刃包丁を研いでいる姿を見た寒気を感じた。
余寒ではなかったが、たぁさんの寒さかなの句は心底冷えた身体の思いを適格に表現している。この句は先生の特選句にも選ばれた。
実家は空家だが、庭の維持費は掛かる。しかし一銭にもならない。冬の荒れた庭の中で万両が赤い実を付けて存在感を示している。
荒れ庭に 父母の残せし 実万両
先生の他に一人の方から採って頂いた。先生が千両ではなく、万両であるのが良いと評されたが、私にはその違いがまだ、解らない。
昨日は、高校の同期生の命日であった。彼が週に数回通っていたスナックに、同期生5人が集り、ママさんと一年忌を行った。黙祷した後、彼の持ち歌を一人ずつ歌って忍んだが、傍で見守って居る様な気がしてならない。
黙祷に 友の応えか 虎落笛
虎落笛は言わば取り合わせではあるが、先生の他に二人の方から採って頂いた。
私の頂いた自由題の句は他にはSENさんの神楽女、HSYさんの句心、TKTさんの寒行の3句。句心を詠まれると採りたくなるのは俳句をする者の性なのか。寒行の句は雲母の流れを汲む句だと思ったのは、詠んだ人を知っているからだろうか?
今日の成績はまあまあだったが、選句の方は7句中5句が先生と合致した。しかし、先生の句は一句も採らず、ノミネートもしなかった。イマイチかな?
鴨 ― 2013/02/09
母塚山からの大山 ― 2013/02/14
渾身 ― 2013/02/19
今朝の日本海俳壇に入選した句です。
初場所や 渾身鋭利 日馬富士
初場所が始まった頃、「白い船」「RAILWAYZ 49歳で運転手になった男の物語」など島根県を舞台にした作品で知られる錦織良成監督が隠岐諸島の伝統行事・古典大相撲を描いた「渾身」が封切られた。もし、隠岐出身の隠岐の海が初場所で活躍したら、初場所と渾身と隠岐の海の三つを使った句をと思っていたのだが、休場明けでパッとしない。優勝候補の大本命は白鵬であったが、先場所期待を裏切った日馬富士が横綱昇進前の鋭さが帰って来た。これは優勝間違いなしとして、優勝が決まる前に掲句を三句目に書き込んで投函した。
三句目に書く句は穴狙いの句なので、欅句会に出句する五句から外した句なので、この句が入選するとは思わなかった。本命、対抗は欅句会で先生に採って頂いた句であったのに。
先週、日本海俳壇の選者の一人である美柑みつはる氏が亡くなった。私の入選句の撰者で一番多く採って頂いたのが、美柑先生であった。改めてご冥福を祈り、合掌。
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